秋田県厚生連労働組合
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第13回看護ゼミナール開催(11月23日・ルポールみずほ)
  〜患者さんの人格を重んじ受け入れること〜
          福岡幸記さんを講師にお招きして

 去る11月23日、秋田市の「ルポールみずほ」において、秋厚労第13回看護ゼミナールが行われました。今回のテーマは、昨年に引き続き「高齢者を理解しよう」。講師は、県立リハビリテーション精神医療センターの福岡幸記さん(元秋厚労中央執行委員長)でした。当日は、9支部51人が参加し、看護の思いを新たにしました。

 講演「認知症の高齢者への対応」

 福岡さんは「認知症の高齢者への対応」と題し、今までの経験を踏まえて、看護師として患者さんにどう向き合うかについてお話をなさいました。

日本では、65才以上の人口は2640万人(全人口の20・7%)、その中で精神障害者数は約12万人、うち、認知症は約3万6千人です。認知症は、知的機能が持続的に低下し、社会生活に支障をきたすようになった状態で、とても身近な病気です。ホルモン異常や肝臓病などに起因するものは治療が可能ですが、脳卒中によるものやアルツハイマー型痴呆(神経細胞の減少)は、症状の進行を薬などで抑制するしかありません。

認知症の患者さんには、ここがどこで、今がいつなのかがわからなくなったり、記憶障害、判断力の低下などが現れます。加えて、人によっては、抑うつ、幻覚、妄想、暴力的な行為などが発現します。めまぐるしく変わる世の中のスピードについていけず、ストレスに耐える力が低下します。自分をコントロールできなくなり、また、些細なことに怯えたりもします。

 認知症の人の苦しみと希望

 認知症による異常行動も、内容や原因の理解によって適切なケアができることを、福岡さんは実例を挙げてお話しました。例えば、ご飯を食べたばかりなのに「ご飯はまだか?」と聞く「物忘れ」に対して、「さっき食べたでしょう!」と反論するより、「もうすぐできるから、これで我慢しておいて」と言って果物やお菓子を渡す方が効果的なのだそうです。福岡さんは、最後に「患者さんには、どの人にも生きてきた歴史があり、一人ひとりの物語があります。認知症の人は、外見からは想像もつかないような苦しみと希望を持っています。私たち、看護師は、患者さんの人格を大切にし、受け入れましょう」「そのためにも『こなす』看護ではなく、『人に触れケアをする』看護を」と締めくくりました。

 明日からのケアに役立てたい!!
 

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